風邪らしい風邪をひいた。熱が出て何も手に付かなくなるほどの風邪は何年ぶりか。
昨日、広報についてミーティングしてきたので、作業を少しずつ進めなければ。
それにしても、昼間横になってうとうとしている間、変な夢をみた。
ぼくはフェンスで囲われた雑草だらけの空き地の中にいて、テーブルが置いてあって、そこで児童館で仲の良いゆうまとなにやら作業をしている。どうやら「ことばのかたち工房」を草むらで開催しているらしい。そこで誰かがビデオを撮影している。多分、ぼくの大学の先輩のいとしょくんだ。ビデオカメラのモニタを見ながら「似てる似てる!」と言っている。ぼくはそのモニタを覗き込んでみた。
(カメラのアングルで夢をみている)
そこには、何かを考えながら作業をするゆうまと、彼の気持ちを探っているのか、挙動不審に目を動かすぼくが写っている。ゆうまは水色のパーカーを着ていて、ぼくは黄色のパーカーを着ていて、二人ともフードをかぶっている。
「ほんと、よく似てるからちょっとそこにたって並んでごらんよ」
といって、先輩はぼくたち二人を木の影にならべた。確かにぼくらはそっくりのペアルックだった。
(ここから主観に戻る)
立ち上がって作業が中断したのをいいことに、ゆうまはぼくに蹴りを入れてきた。もちろん、じゃれ合おうぜ、という合図だ。ぼくはそれに応じて取っ組み合って、彼をゴロゴロと転がした。ごろごろごろごろ、草むらの中を、輪を描いて転がる。するとそこに、お椀型の穴ぼこができた。ぼくはその穴ぼこの底で動けなくなった。目の前には草むらを囲うフェンスがあり、そのフェンスの一面が、惡魔の顔をかたどったレンガ造りの城壁に変わった。
(カメラ/場面転換 城壁)
その城壁には紅く火がついていた。轟々と燃えているのだが、それはパラフィン紙のような2次元の炎の模様で、その周りを白いゴマ粒のような兵隊がわらわらと動いている。「火を消せー!」とわめきながら、蛇口を大勢でひねって水を出しているけれど、水はほとんど出てこない。
(主観/場面転換 別室)
その情景が、急にブラウン管に映し出された映像に変わった。このとき、別室にもう一人のぼくがいて、モニタ越しに白い兵隊たちやそれを動かすスタッフに指示を出している。「もうちょっと火を強めて!そいつらもっと激しく動かせないかな?あぁー城壁の色、ちょっと赤くし過ぎかも」
とか言いながら。
(主観/場面転換 空き地)
穴ぼこで動けなくなったぼくを尻目に、ゆうまはぼくから離れていく。そして城壁の方へ走り、ぴょーんと3メートルぐらい飛び上がったかと思うと、燃え盛る城壁を飛び越えてしまった。また彼が城壁を飛び越えてこちらにくるぞ、と気づいていたぼくは、彼が飛び上がると同時に「ベムラー!」と叫んだ。壁の向こうから飛び上がってきたのは、影のかたちをした、コミカルな惡魔だった。
(主観/場面転換 体育館)
惡魔がぼくに飛び掛ってきたところで、ぼくは別の場所にトリップしたようだ。そこでは中村児童館のゆうとが、プロレスラーの衣装を着て準備体操をしていた。
「うっすん、最近のおれすげぇんだよ、あの団体に売り込んで前座の試合に出てさぁ、ボクシングの前座でもプロレスやらしてもらったんだよね。そうそう、だからもう最近腕筋つきまくりで、ほら」
そういって腕の筋肉を見せながら、ゆうとは楽しそうに語っている。そこにしげがやってきて、いつもの調子で言った。
「じゃあ、あそこで野外プロレスの興行やろうよ!」
(主観/場面転換 空き地)
空き地に戻って来た。ゆうとの入場を待って、緑色の怪獣の着ぐるみを着たしげが、マイクパフォーマンスの準備をしている。対戦相手はどうやらぼくのようなのだけど、ゆうまが飛び越えていった城壁がまだまだ燃えている。
(カメラ/場面 城壁)
ゴマ粒のような兵隊たちが、懸命に日を消そうとしている。蛇口からの水も溢れ出しているのだけど、それが逆に炎を煽ったようで、ますます勢いを強める。
(主観/場面 空き地)
城壁から草むらへと、炎は写り、燃え始めた。でもこの炎は薄っぺらいパラフィン紙で出来ていて、実際に燃えているわけではないのだが、バチバチと音を立ている。しげは炎に気づいていない様子で、ぼくも穴ぼこのそこに寝転んだまま、そのおもちゃの炎が空き地を焼き尽くすのを眺めていた。
というところで目が覚めます。児童館の友人たちが夢にでてくることはよくあるのだけど、この「フェンスに囲われた空き地」と「惡魔の顔をかたどった城壁」と「白ごまの兵隊」、「パラフィン紙の炎」、そして明確なアングルの変化と別室で支持を出すもう一人の自分。というのが何かを暗示しているように思えてならない。後に何かわかるかも知れないので、ここに記録しておきます。