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2014/11/01

FORM ON WORDS《ノーテーション》

新作ファッションショー《ノーテーション》
2014年11月8日(土)・9日(日)

他者の人生を再生する衣服

前橋に生きる5人の物語を参加者が準備なしに踊る




時間:各日 13:00〜/15:00〜/17:00〜( 各回20分程度)
会場:アーツ前橋 (〒371-0022 群馬県前橋市千代田町5-1-16)
   企画展「服の記憶 私の服は誰のもの?」展 内

FORM ON WORDSは、服にまつわる人々の「ことば」から新しい「かたち」を提案するファッションブランドである。
今回アーツ前橋で開催されている「服の記憶 私の服は誰のもの?」展では、前橋市に暮らす22歳から94歳の5人の男女をモデルに、彼らの人生を12の〈作業〉に集約し、彼らの人生の〈作業着〉を制作した。
今回のファッションショーでは、一般の参加者がモデルの人生を写しとった衣服を着て、音声ガイドでのリアルタイムの振付によって、稽古なしにこの5人の人生を演じる。
同時に、ミシンやハサミなどの作業音をリアルタイムで録音し、振付に合わせて再生することで音楽が演奏される。
人の人生の〈作業〉を写しとった服が、その〈作業〉をまた別の他者に写していく。
人から人へ、生きられた経験を伝える楽譜としての衣服を提示する。

演出・構成:野上絹代(FAIFAI)
音楽:Kimitoshi Sato + Takumi Namba(from Open Reel Ensemble)
映像:中島唱太 + Yu Nakajima
写真:湯浅亨

*ショーの鑑賞・参加には展覧会チケットが必要です。

《今回のファッションショーではモデルの方を募集しております》

モデルの経験は問いません。
事前の練習などはなく、当日15分前に集合し、その場で新作コレクションを身につけ、イヤホンから流れる音声ガイドに従って動いていくことでショーが成立します。新作をより深く感じることが出来る、特別な機会です。ふるってご応募ください。

定員:各回5名
対象:中学生以上、経験などは問いません。
集合時間:各回15分前
参加費:無料(要観覧券)
参加方法:事前申込制(先着順)
住所、氏名、年齢、電話番号、参加希望回を添えてお電話にてお申込みください。
電話窓口:027-230-1144(アーツ前橋)

お問い合わせ

[ショーの参加、開館時間、取材申し込みはこちら]
アーツ前橋
電  話:027-230-1144
メール:artsmaebashi@city.maebashi.gunma.jp

[ブランドに関する問い合わせはこちら]
FORM ON WORDS
電 話:080-1207-1395(担当:臼井隆志)
住 所:〒151-0001 東京都渋谷区神宮前6-51-11 
    原宿ニューロイヤルマンション 601
メール:info@formonwords.com

2014/10/27

空間を変える、仕事のトレーニング ー 石神井児童館工作室のリノベーションについて その1

先週一週間をかけて、昨年度から企んできた石神井児童館の改修工事を終わらせた。遠藤幹子さんに設計をお願いし、棟梁こと北條さんの現場指揮に従いながらアージスタッフ4人とがんばってこしらえた。



職員さんと相談し、とにかく不要なものを処分してもらった。断捨離。

バール(釘抜きのこと)とトンカチで棚を解体し、壁紙をはがして黒板塗料を塗った。

天井のカーテンレールと、備え付けの棚を白く塗って存在感を消した。

解体した棚を建具にして、これまたカラーの黒板塗料で塗装した扉を取り付けた。

棚をばらして有孔ボードを取り付け、展示したり自由な工作材料を並べられる場所をつくった。












毎日リポビタンDを飲みながら、丸ノコで吹き上がるおがくずに苦しみながら、和気あいあいと作業をすることができた。作業中に食べたドーナツが、その糖分が脳髄に染みわたる感じがして、とにかくおいしかった。あと、作業後に食べたごま油と塩で食べるレバテキも。



さてところで、今回のプロジェクトは施工をして終わりではなく、新しい空間をつくることで新しいプログラムを生成するのが目的だ。それは、子どもたちが職員のサポートを得ながら、自らここでの活動をつくっていくことだ。活動はむしろ、これからスタートする。これまで子どもの自治だ何だと言っていたけれど、実は「仕事」ということともつながってくるんじゃないかと思う。

超当たり前のことだけど、建築家は「人がこれから生きていく場所」をいくつもつくっていく。遠藤さんと仕事をさせてもらって、愛情と気遣いを尽くし、驚かしたり楽しませたりすることが絶えず生まれるような場所を次々と形にしていくなんて、建築家とはなんて大変で楽しい仕事なのだろうと改めて感動した。

「仕事」というのは言われたことを言われたままにこなすのではなく、「こうしたほうが(自分の生活が/世界が)面白くなるのに」というアイデアをリアライズする技術なんだなと思う。世界のお金の流れの中で、周囲の人に相談し、協力を頼み、自分のアイデアをちょっとずつでも加えながら、具体的に変化を起こす技術というか。

最近親しい人から「心理士」という仕事の話を聞いている。そこで思うのは、どんな仕事にも創意工夫が必要だというこれも当たり前のことだ。カウンセリングって人を癒やすちょっと神秘的な仕事に見えるが、その実務はクライアントの親や学校や機関とのつなぎ役だ。。あるいはクライントを守るために人とのつながりを断つ、小さな政治的な仕事だ。人と人との間を何度も縫ったり切ったりすることで、クライアントの生活を少しでもよく、軽くしていこうとする、心理士一人ひとりに創意工夫が求められる、難しい仕事だ。

今読んでいるハンス・ウルリッヒ・オブリストの『キュレーション A brief History of curating』を通しても、キュレーターがアーティストやビルの管理人などと協力して、創意工夫していくことで新しい美のタームがつくられてきたことを感じる。

でも、よく考えてみると、ぼくらは、自分でアイデアを出してそれを人と協力してかたちにしていくトレーニングを、子どもの頃から積んできているだろうか。そしてぼくは今でもそのトレーニングを怠ってやしないだろうか?子どもたちと一緒にそのトレーニングを積んでいける場所を残り半年でつくっていくっていうのが、なんかぼくにとって切実な動機なんじゃないかという気がしてきている。

そのトレーニングを発展させ、お金の流れの中に身を投じることが、仕事をする、ということなんだなと思う。

そういえば、ぼくが「アーティスト・イン・児童館」を始めたそもそもの動機は、子どもたちが面白いことに出会う場所をつくりたいと思ったことだった。最高のハプニングが起こるのを待つための場所を作りたいとおもったことだった。しかし、そのためには、お金の流れに乗る必要があったことを痛感しているのが現在だ。ぼくにはまだまだそれができていなくて、お金の流れが見えていないことが最大の欠点だ。そして、その欠点を克服するには時間がかかる。アイデアを形にする修練と、お金の流れの中に身をおくことをしていく20代後半にしていきたいなと思った先週であった。