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2011/03/17

2011/03/17 帰り道



今日は渋谷でコンセプトブックの打ち合わせをして、そのあとしばらくぶらぶらして帰った。いつもより渋谷は穏やかで節電のためか大人しく見える。山手線を乗り継いで池袋へ行って、カフェに入って仕事をして、また電車に乗ってマッカリに向かう。

西武線が計画停電のために混み合っていたので、電車にのるのが面倒になって、大泉学園で降りた。行きつけの古本屋「ポラン書房」に行って、《ことばのかたち工房展》のフライヤーを届けてきた。ついでに安部公房の『榎本武揚』を買って、歩いて駅の反対側へ。

わらべの前を通り、いなげやの前を抜けて、トレントの角を曲がったところで、団子屋の息子カリブに会った。ずいぶんと背の伸びたあいつは声変わりも始まっていて、話し方も幾分賢くなっている。

「よう、おまえ地震のときどこにいた?」と世間話をふってくるカリブ。
「大学にいたよ。」とぼくは答える。自分の大学ではないけど、東大にいた。
「大学で何してたの?」
「講義聞いてた」
「なんの?」
「なんでもいいじゃねえか」

道端で会話をすると、細かいことを矢継ぎ早に質問されることが多い気がする。大人が普段何をしているかを知るチャンスだと思っているのかな。

「で、おまえは何してたの?」
「え?おれ?おれね…大便してた…。」

やつは一度目の大きな揺れが来たとき、トイレの中にいたらしい。驚いてブツは引っ込んだそうだが、なんともカリブらしくて笑った。あほだからなあいつ。そんなあいつも4月から中学生になる。

「ねぇ、また今度鬼ごっこしようよ」
「あぁ、いいよ」
「いつ?」
「じゃあ、29日の火曜日」
「うん、わかった。じゃあミドリ(公園)でね。」

その昔、アーティスト・イン・児童館を始めるまえに、東大泉児童館で「いつものまちだっせん作戦」と称してダンボールばらまいたり古着でユニフォーム作って鬼ごっことかしてたのを、彼は覚えていて、彼にとってはそれがぼくとの思い出なのだ。久しぶりに、鬼ごっこでもするか。29日なら、できるはず。暇そうなひとを誘おう。

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