10月25日(金)から3泊4日で香川県へ。「芸術士派遣事業」のリサーチを中心に、瀬戸内国際芸術祭、そして丸亀市猪熊弦一郎現代美術館と回っている。
まず初日は「芸術士とこどもたち」展。保育所・幼稚園・こども園にアーティストを派遣し、子どもたちの創作活動を創出する事業の報告展を見て、事務局の太田さん、市役所の担当の山下さんへのヒアリング。
2日目は瀬戸内国際芸術祭の小豆島・坂手港エリアへ。graf、dot architects、UMA design farmといったクリエイターたちが拠点を構え住民たちとゆるやかに協働しながら、豊かな小豆島の生活や食文化が考現学的アプローチから来島者へ紹介していく。劇団「ままごと」のお散歩演劇『赤い灯台』では、港町を巡りながら一つの物語を経験する。
3日目の今日は丸亀市へ移動。丸亀市猪熊弦一郎現代美術館の「大竹伸朗 ニューニュー」展へ。来年夏からの「拡張するファッション」展の巡回先であるこの場所を、担当キュレーターの古野華奈子さんに案内していただく。
とってもとっても刺激的で、本当に幸せなリサーチ期間だった。
ぼくは去年の10月にNPOを立ち上げて1年、これからどう経営を成り立たせていくか、本気で動かなければならない時期に来ている。そして、NPOの限られた収入方法の中で、どうやって経営していくか、暗中模索しているところ。というか、児童館という公共施設に介入するという事業のあり方は、極めて難しいということがよくよくわかってきたところ。そして、そのための実力やセンスが自分にはほとんど無いのだということも。
将来への不安が募るなかで、何をどこから手をつけていいやら…と思い悩みながらのこのリサーチ。明確な解決策が見つかったわけではない。わかったことは、希望をもって、この困難を楽しみながら、しぶとく、ひたむきに続けていくことでしかない、ということ。
この「楽しむ」ということが、本当にむずかしい。そして「楽しむ」ためには、その方法を学ばなければならない。真面目な話でつまんないかもしれないけど、人間は何かの楽しみ方を、少しずつ学習しているのだと思う。
「芸術士」の活動は、子どもたちが「表現すること・つくることの楽しみ方」を学ぶための環境・世界観を創出する仕事だと思った。そして事務局の太田さんは、この活動を広げるために、策と希望と何よりも楽しさをもって挑んでいる。
そして、「ニューニュー展」を通して見る大竹伸朗さんの姿は、執念をもって、驚くべきものをつくるために何十年も実践しているものだった。何より、つくることを楽しむことと、見るものを楽しませることが一体になった制作の姿勢を感じた。
まずはこの感動を記す。
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