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2011/09/13

地面に埋めるか、海に流すか。

地味で、これといって重要ではない過去は、あるときふと彩りをおびることがある。
美しく、とっておきたい思い出は、思い起こしてみれば色褪せていることもある。

詳細な記録を文章化して保存することは、思い出の品々を地面に埋めることに似ている。
10年後のこの日に掘り起こそう、と約束するタイムカプセルのしきたりは、記憶というものはまるで保存可能なものであるかのように見せているけれど、ぼんやりした記憶は、思い起こすたびに意味を変える。

ある出来事を、掘り起こそうとすれば出会えるタイムカプセルにするのか、どこかを漂い続け再会の保証もないメッセージボトルにするのか。

地面に埋めるか、海に流すか。

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