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2012/03/25

振る舞い、変革、I LOVE YOU

ずっと買ったまま観れていなかった、快快『My name is I LOVE YOU』のブダペスト版を観た。

言葉とお金と身体と、人と人とが関わるときに、間に入ってくるもののせいでズレて、ズレて、そして「I LOVE YOU」の名が言えなくなっていく。



なんだろう、演劇なんだけど、現実の再構築に見えてくる。ぼーっと見てると、ぼくらが生活している社会の仕組みそのもののように、役者はシンプルに振舞っているように見える。

じゃんけん大会をやったり女体盛りを食べさせたりして観客をステージにあげていく『SHIBAHAMA』や、高校生の甘酸っぱい経験自体を"売り物"にする『いわきの高校生インザ蚤の市』みたいに、観客の振る舞い自体を変えてしまう作品もある。こういうと月並みだけど、快快は文化人類学の言うところの"振る舞い"としての演劇に、かなりストイックに向き合ってるんだなぁーと思う。しかもポップで、ノレる。

人が集まる場所にドラマがあるし、つたのように絡まる時間があるし、その前提には、関係を操作する空間がある。絡まる時間はグルーヴを生むし、人々の集まりは人生を小さくでもたしかに変えていく。そういう小さな変革を生み出す空間を編むのが演劇なら、ぼくもノリたい。

しかし、そこでも「I LOVE YOU」の名は言えなくなっていくんだろうな。本当のことは、ズレてズレて、言えなくなっていくんだろうな、と思うと強烈に切ないのだけど、でもそれを受け入れながら、4月からの一年を頑張っていこう!と思ったわけです。


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