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2010/12/09

12/07 迷子

「完全避難マニュアル」のドキュメントミーティングに参加して、ちょっとほろよいで寝てしまい、そのまま寝過ごして気づいたら清瀬だった。

清瀬は保谷から3駅離れた駅で、距離でいうと10キロくらい。雨も降っていたし、急に寒くなっていたけど、雨の日のタクシーは嫌いなのでぼくは根性で歩くことにした。駅近くのコンビニに直行して、大きいサイズのビニール傘と、キレートレモンを買って喉に流した。

しかし、清瀬から保谷の間、住宅地が延々と続き街灯も少ない。暗くて怖い。道もまっすぐなのがないし、iPhoneの電池が切れて地図は確認できなくなり、くねくね曲がってまた同じところに出るし、不安は募る一方。しかもお墓の塀の上で何かがひらひらと動いているのが視界に入るし。あれは多分、人を呼ぶ手の動きだ。恐怖のあまり傘を持って30分ほど爆走した。いやはや怖かった。


人間というのは不安になると自分の位置情報を把握したくなるものだ。街に落ちてるあらゆる情報で、それを把握しようとする。電柱に書かれた住所とか、車のナンバーとか。それに付随して家の表札とか病院の案内とか、いらない情報まで目に入ってくる。車のナンバーが多摩ナンバーだったり、「幸町」を「しあわせまち」と読んで「そんなまち現実にあるのか!?」と無駄に不安を募らせたりしながらひたすら歩き続けた。

街の音や雨の音がいやに大きく聞こえ、あらゆる情報が視界に飛び込んでくる。あんなふうに視覚と聴覚ががばーっと開いた状態になるのは久しぶりだった。それゆえに見えてしまった揺らめく“手”なのかも知れないが。

保谷の駅が見えたときは奇跡のようなうれしさだったな。帰ってきてから玲ちゃんがつくってくれたうどんが異常に美味しかった。

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